フルケリーが実際には落とし穴である理由
ケリー基準は、資金が最も速く増える賭け金の大きさを示します。ただし、勝率を正確に知っていることが前提で、実際には知りようがありません。
制作について:このガイドの初稿は、運営者の指示のもとでAIアシスタントが作成し、数値はこのサイトの計算ツールと照合して確認しました。ここに書かれている内容は投資助言ではありません。
ケリー基準が示すもの
1956年、Bell LabsのJohn L. Kelly Jr.は、オッズと確率がわかっているときに、長期的に資金をできるだけ速く増やすには、資金のどれだけの割合を賭ければよいかを示す式を発表しました。賭けた額のb倍を確率pで得られる賭けでは、その割合はp − (1 − p) ÷ bです。
勝率55%で、勝てば賭け金と同額を得られる賭けを考えます。0.55 − 0.45 ÷ 1 = 10%、つまり1回の賭けにつき資金の10%です。そのまま売買の基準にできそうに聞こえますが、そうではありません。理由は以下のとおりです。
この式は誤差に弱い
式のすべてがpに左右されますが、pは推定値です。本当の勝率が55%ではなく50%なら、適切な大きさは10%ではなく0です。5ポイントの誤差で、優位性がそっくり消えてしまいます。
賭けすぎは、賭けが少なすぎるよりも悪い結果になります。この例で、1回の賭けあたりの成長率は、10%なら0.50%、5%なら0.38%、ケリーの2倍にあたる20%なら-0.01%です。ケリーの2倍では長期の成長が消え、はるかに大きなリスクを負って何も得られません。この曲線は左右非対称で、ケリーより小さい額なら成長を少し手放すだけですが、大きい額では成長のすべてを失うことがあります。
フルケリーの体感
勝率55%で、勝てば賭け金と同額を得られる賭けを、賭ける割合ごとに40,000回ずつシミュレーションしました。どの試行も1.0から始め、その時点の資金の一定割合を賭け続けます。フルケリー(10%)では、32%の試行で、資金が2倍になる前に開始時の半分まで減りました。ハーフケリー(5%)では10%、クォーターケリー(2.5%)では1%未満でした。
200回の賭けを、各20,000回の試行でシミュレーションすると、フルケリーでは中央値の試行が途中でピークから70%下落しました。最大下落の中央値は、ハーフケリーで42%、クォーターケリーで23%でした。これは、勝率が完全にわかっているという前提で、正しい式を使った結果です。70%の下落に耐えてポジションを持ち続けられる人は、ほとんどいません。
弱点は入力値
取引結果は、独立したコイン投げではありません。結果は特定の時期に固まりやすく、相場の局面に左右され、平均の利益と損失も時間とともに変わります。勝率は記録から推定するしかなく、記録が短いとばらつきが大きくなります。私たちの分析では、典型的なトレンドのルールは、結果が運と区別できるようになるまでに、実際の取引で約34か月分が必要でした(戦略を証明するのにかかる期間)。それまでは、計算したケリー比率は、誤差の幅がきわめて大きい数字にすぎません。
この式の妥当な使い方
この式を使う人は、結果を上限と考え、その2分の1や4分の1だけを賭け、さらに耐えられる最大の下落幅で額に上限を設けることが多いです。ケリー計算ツールの感度の列では、勝率が思っているより5ポイント低かった場合に、この数字がどうなるかがわかります。それでゼロになるなら、優位性が自分では知りようのない小数点以下の値にかかっているとわかります。